大泉黒石全集 第5巻 人間廃業

電子
2,500(税込)
出版社 株式会社緑書房
発売日 2015年11月1日
ページ数 340 ページ
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大泉黒石全集 第5巻 人間廃業の内容
文学史の闇に輝く日本のドストエフスキーが、対話と告白で現代小説の方法を構築し、宇宙の中の生存の謎を追求して彷徨える現代人の心に啾々と訴える幻の名作群!! 純文学や大衆文学という日本文壇の枠を超えた国際人黒石の孤高の冴えが構築した思想と笑いの世界! ・内容 編集 大泉黒石全集刊行会 全9巻妯 第五巻:人間廃業/人生見物 人間廃業は、江戸戯作・洒落本・滑稽本の系譜にたち、浪曲、落語の修辞法に巧妙な江戸弁の啖呵の切れ味を加味した、端倪すべからざる無頼と饒舌のレトリックを生んだ。 東京の一隅の裏長屋に雑草のように巣食う、黒石本人らしい文士の食いつめ生活、それをめぐるドン底生活者やイカサマ師の群が発揮する強烈な生活力と哄笑とは、笑いの文学に乏しい日本近代文学のなかで、ひとつの偉観たるを失わない。  とりわけ面白いのは、黒石独自の日本人論で、アナーキズムとポルシェヴィズムを流行のように口にしながら、いずれ日本人が痩せ我慢の尻尾をだして自滅するまで大挙して日本刀を振りまわす時勢が来るであろう予測を、「〈アナ〉と翻り、〈ボル〉と揺れる……瑞穂国の枝や葉」に仮託して、辛辣に衝く部分である。 人生見物は、人間開業につながるシベリヤを舞台にした自伝のひとつで、シベリヤ出兵当時の背景が活写されている。

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